海を見たことのない人たち

「海を見たことのない人たち」

島国で生まれ育った私達には考えられないのだけど、
Neepawaには「海を見たことのない人たち」が沢山いた。

カナダの大平原地帯の真っ只中に位置するNeepawa。
確かに、一番近い海でも何千キロと離れている。
あまり旅行をしたことのない人なら、
海を見たことがなくても不思議ではない。

「海を見たことがない」という言葉に、
最初は「信じられない」という顔をしてしまった私だったが、
でも実は自分もNeepawaの人に同じような顔をされたことがある。
それは私が
「カナダに来るまで、地平線を見たことなかった」と言った時。

Neepawaの人たちにとって
「地平線を見たことが無い」というのは、
日本人にとっての
「海を見たことが無い」というのと同じ様なものかもしれない。

私は今の旦那に日本で出会ってすぐの頃、
「カナダで地平線見たことある？」という質問をしたことがある。
正直、旦那はその時私の質問の意味がよく分かってなかったみたいだった。
でも、実際旦那が育ったNeepawaに来てみて、
それがいかに愚問だったかに気付いた。
地平線を見ずには他の町にすらいけないような所である。
まさに、日本人に対して
「海を見たことある？」と聞くのと同じくらいバカな質問だったのだ。

考えてみると、
世界中には自分が毎日当たり前のように見てるものを
一度も見たこと無い人たちがいて、
彼らが毎日見てるものでも、
私は見たことなかったりするんだろう。

初めてマニトバに行って、
大平原に１８０度広がる空を見たときのような感動を、
ここ最近してないな・・・と思う私でした。

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